蒼き愛しの君




(6)

「ゲイト!?」

背後で微笑みを浮かべていたのは彼だった

白衣姿のままエックスのほうを見つめている

エックスといえば先程の言葉に戸惑っていた

「さっきの冗談だよね・・・」

苦笑しつつエックスが聞くと、

「本気だよ、最も無理意強いはしないし、君がよければの話だけどね・・・」

エックスの手を取りその甲にチュッと口付けながらゲイトは言う

「僕は彼等とは違うから、安心してくれていいよ」

「あ・・・うん・・・」

他の4人といえば隙あらば何かしようとするが

ゲイトといえば再会をした時をはじめ、全くそんな雰囲気を感じない

まさしく『大人の余裕』というやつである

「この部屋に入れてもらうのも大変だったよ、
データを届けなきゃいけないって言ったらすんなり通れたけど」

ゲイトは苦笑しながらスカイルームと司令室を結ぶ転送装置を見た

「嘘なんだけどね・・・」

エックスに悪戯っぽい笑みが向けられた

「しかし・・・たまには自分の意見も言わないと疲れるよ?」

打って変わった雰囲気の声がエックスを諭そうとする

「わかってるんだけどね・・・ついつい先延ばしにしちゃって・・・」

エックスはクッションを抱く腕に力を込めた

「君はゼロを選んでるんだろう?」

「・・・うん・・・」

恥ずかしそうに俯いて呟かれた肯定

「ならそれをきちんと伝えないと・・・他の3人が図にのるだけだよ」

サイドテーブルの花瓶に飾られた蒼い薔薇に触れ、ゲイトはさらに続ける

「図にのるだけならまだしも・・・君に何かあってからじゃ遅いんだよ」

心配そうに見つめてくる夜空の瞳・・・

エックスはその光に微笑んだ

「わかった・・・明日、ちゃんと伝えてみる」

エックスは立ち上がると爪先立ってゲイトの頬に唇を重ねる

そして

「ありがと、ゲイト」

と微笑んだ

「ど、どういたしまして」

いきなりの贈り物に戸惑いながらもゲイトは答える

いつもは見られない少し大胆なエックスは

どことなく妖艶な色香を漂わせていた


「じゃあ・・・もう・・・寝るね」

エックスはベッドに横たわりながらそう言った

「ああ・・・おやすみ」

ゲイトは蒼い髪を一撫ですると

転送装置を起動させ、その中から手を振る

エックスは彼に手を振り返し・・・



そのまま眠りへと落ちていった




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