蒼き愛しの君
(8)
エックスは破壊音の響くヘリポートへと向かった
そこでは案の定、ダイナモ・スパイダー・アクセル・ゼロの4人が
周りを気にせず盛大なまでに喧嘩をしていた
元からあったコンテナはセイバーとブレードで両断され
バレットの銃弾と思われる穴が大量にあき
所々にカードが突き刺さっている
そして無残にもヘリポート自身も同じ状態だった
コンクリートの残骸があちこちに散らばりもはや砂利と化していた
ドゥン・・・
アクセルの光弾がエックスの薄紅の頬をかすめた
しかしそれに気付くこともなく4人の争いはヒートアップしていく
舞い散るカード
乱射される光弾
そして振り下ろされる2つの刃
攻撃の乱舞は凄まじい破壊力で周囲の風景を荒野へと変えてしまう
そんな彼等を見つめ、エックスは大きく息を吸い込んだ
そして・・・
「やめろ!!」
空にこだまするほど大きな声が4人の争いを止める
凄まじいまでに鳴り響いていた音は途切れ
疾風迅雷のごとく舞っていた影がぴたりととまった
「エックス・・・?」
アクセルが唐突に叫んだ彼の名を呼ぶ
「どうしたんだ?エックス?」
帽子を片手で持ち上げながら問うスパイダー
「悪いけど今回は真剣勝負なんだ、用がないなら逃げててくれ」
ダイナモがいつになく真剣に言った
「エックス・・・」
ゼロが掠れた声で名前を呼んだ
4人を睨みつける瞳には涙がたまり薄紅の頬に銀の曲線を描いている
「どうしてこんなこと・・・これじゃ・・・
これじゃイレギュラーと一緒じゃないか!!」
エックスの一言にばつ悪そうに4人が沈黙した
争いは何よりもエックスが嫌うものだ
何よりも平和を願う少年にとって
彼の親しい仲間たちがそれを壊すことは許しがたいことだった
「それに・・・」
エックスは涙目のまま言葉を繋ぐ
本当は言いたくて言い出せなかった台詞
この争いのピリオドになる言葉
4人の視線がエックスに向けられた
次の言葉を待っているのが伝わってくる
エックスは目を閉じると深く息を吸い込み
エメラルドの瞳を4人に向けた
「俺は・・・俺は自分の好きな人くらい自分で決める・・・
だから・・・そんな争いしないで・・・」
紡がれる言葉にその場の雰囲気が水を打ったように静まり返った
(争ってた理由知ってたのか!?!?)
てっきり鈍くて気が付いていないと思っていた4人にとっては
かなりショックな発言だった
そんな驚きの表情のままの4人をよそに、
エックスはゆったりとした足取りでゼロに歩み寄る
「エックス?」
不思議なくらい落ち着いた微笑みを浮かべた恋人の名をゼロは恐る恐る呼んだ
次の瞬間、彼の瞳にはより近くで微笑むエックスの顔を写していた
そして、唇にふわりと当たる柔らかな感触
決して今までの彼から探ることの出来ない積極的な彼がそこにいた
対してそれを見せ付けられた3人はいっせいに言葉を失う
「あ”・・・あ”・・・」
意味不明に呟くアクセル
「っ・・・」
奥歯をかみ締めて悔しそうな顔をするスパイダー
「やれやれ・・・敵わないね・・・」
あっさりと敗北を認めるダイナモ
「エッ・・・クス・・・?」
元の位置へと戻ったエックスをみて
状況を今ひとつ理解できていないゼロが呆然と彼の名を呼んだ
すると屈託の無い光の微笑みがそれに答える
「ゼロ、大好きだよ」
勝負の終りを告げる言葉が、エックスから紡ぎだされた
END
後書き
まとまり悪いかもしれないなぁ・・・
スランプ真っ只中です(ー▽ー)〜◎
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