「ここは・・・」

熱も風も感じなくなった俺は目を開いた
いつのまにか砕けたヘッドパーツの破片が髪に付いている
垂れてくる金髪をみて、俺は眉をしかめた
レジスタンスベースではヘッドパーツを取ったことはない
それどころかアーマーを外したことさえなかった
シエルは俺がアーマーを脱げることを知らない・・・
だから俺もそれを外すことはしなかった
いや・・・生身を晒すことを避けていたといったほうがいいだろう
かつては任務の時以外纏うことのなかったアーマーを・・・
俺は最後の心のとりでにしていたのかもしれない
そうおもいながら、おれは髪を掻き揚げる
眼前に見えるは巨大な銀の扉と何もない暗闇

「これが俺たちレプリロイドにとってのあの世・・・か」

扉に触れるとそれを押す
ぐっと重い扉の感触
重圧な響きを立ててそれが開こうとする
しかし・・・それは向こう側から閉ざされた

誰かが扉を押し返した・・・

俺は改めてその扉に力を込める
だが・・・

「きちゃいけない・・・」

聞き慣れた声がゼロを押しとどめる

「エックス・・・か・・・?」

無言の扉・・・それが示すのは・・・気まずい肯定

「開けろ・・・エックス・・・俺は・・・」

死んだ・・・

いや、俺達レプリロイドには死はない
正しく言えば・・・壊れた・・・

大気圏に突入したラグナロク
ハッチなどはなく、回避出来ない熱とスピードに俺のボディーは飲み込まれた

もはや跡形もなく砕け散っただろう・・・

「君は・・・引き返せるから・・・」

凛とした声が扉の向こうから響く

「だから、こっちに来ないで・・・」

「エックス・・・やっと・・・2人きりになれたんだ・・・開けてくれ・・・」

「いやだ」

エックスが珍しくはっきりと拒否を示した

「僕は・・・100年待ったんだよ・・・
君も・・・もう少し待って・・・」

しばらくの沈黙の後、掠れるように聞こえる声
否・・・泣き声・・・

「もう少し・・・人間とレプリロイドの掛け橋になってあげて・・・
僕は・・・僕はもう少し・・・待てるから・・・」

すすり泣く・・・あの日と・・・同じ・・・声・・・

「エックス・・・」

「ゼロ・・・僕は・・・僕はずっとここで待ってるから・・・」

だから・・・

だから・・・

そう・・・声が続く・・・そして・・・


そして、俺は目を開けた
眩い光が空を照らしている
さらさらとした砂の上・・・
俺はゆっくり立ち上がろうとする
身体が軋むが立てないことはない
視界を覆う髪を掻き揚げて辺りを見回すと
あちこちひび割れたヘッドパーツが転がっていた

「・・・生き残った・・・のか?」

それを拾い上げながら俺は呟く
すると・・・ころりと赤い石が転がり落ちた
紅く透けた輝く石・・・
あいつの頭部に埋められていたパーツだった
はるか昔・・・イレギュラーハンター達が用いていた・・・
対マグマ用のバリア装置・・・

「これが・・・作動していたのか?」

エックスが俺のアーマーに残して逝ったのだろう
それが・・・俺の命を救った・・・

俺は砂に身体を預け、仰向けに寝転がる
無性に空を見つめたくなった

あの・・・愛しい救世主と同じ色をした

遥かなる大空を・・・



あとがき

今回ゼロ4すごく微妙・・・と思いつつ書き上げました
ゼロが珍しく感情を露わに
チョットスランプ中で文章がおかしいですけど(汗)・・・





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