「・・・私は・・・死ぬのか・・・」

「リディプス・・・」

倒れた彼の傍らにエックスが膝を着く
ガラガラと崩れ始めた周囲
長くは持たないだろうこの空間


「リディプス・・・どうしてこんなことを・・・」

「お前には理解できないさ・・・」

一瞬の輝きの後に現れたのはスパイダーだった




死するとき恋に歌えば・・・





「やめろ・・・っそのすがたは・・・」

エックスが激しく拒絶しながら距離をおこうとする
しかし、その手をスパイダーがくいと引いてその場にとどめた

「安心しろよ・・・リディプスは・・・もう消えた・・・そういう俺も長くねぇけど」

「・・・スパ・・・イダ・・・?」

エックスが掠れた声でそう呟く

「・・・ごめんな・・・泣かせちまった」

「・・・スパイダー!どうしてこんな・・・」

ボロボロと涙を溢れさせながらもエックスはスパイダーの手をしっかりと握った

「・・・わりいな・・・」

「どうして・・・どうして・・・」

縋るように天使が泣く

「・・・お前がほしかったから・・・」

「・・・え・・・」

「・・・・あいつから奪える自信がなくてさ・・・」

自嘲気味な笑み・・・深緋の瞳が脱出シェルターを探す金髪の剣士を写した

「馬鹿だよな・・・お前のことがほしいから・・・あいつにすべてを任せちまった」

「・・・どうして・・・そんな・・・」

エックスがスパイダーの手を握り締める

美しいエメラルドの瞳は水面のようにゆらゆらと揺れて・・・
恋の罪人の最後を許そうとするかのように輝いていた

「おまえ・・・気付かなかったかもしれないけど・・・愛してたんだぜ・・・俺・・・」

「スパイダー・・・」

紫紺の髪を白い御手が梳いた

「・・・でも・・・泣かしちゃ・・・男失格だ・・・わりぃな・・・」

「どうして・・・俺も・・・大好きだったのに・・・言ってくれれば良かったのに・・・どうして・・・」

白銀の雫が罪を洗うようにスパイダーを濡らす

「・・・その『好き』が・・・きけただけ・・・十分だ・・・」

しばし流れる・・・静寂の時・・・しかしそれはすぐに轟音によって崩れ去る

「エックス!!早くシェルターに入れっ!崩れるぞ!!」

ゼロがエックスを呼んだ

「ま、まってっ!」

慌てて後ろを振り返るエックス・・・

スパイダーの手がとんっとその胸元を押した

「・・・行けよ・・・お姫様・・・」

「っ・・・君を置いてなんて・・・」

彼を抱き上げようとするエックス・・・しかしそれにはあまりに細いその腕・・・

「いやだ・・・絶対にいやだ・・・」

スパイダーを引きずりながら立ち上がろうとする天使・・・

途端、ゼロのいる場所とエックスのいる場所に大きな亀裂が入った

「エックス!!はやくっ!」

アクセルが急かす

徐々に離れていく足場・・・


まにあわないっ─────────────────



そのときだ

「・・・エックス・・・サヨナラだ・・・」

「えっ?」


途端に胸に感じる衝撃

大きく後に飛ぶエックスの躰



「エックスッ!!」

その躰を抱きとめたのは彼の恋人・・・

「ゼロッ、スパイダーがっ!」

「あんなやつのことは放っておけ、ほら、中に入るぞ」

エックスの躰がシェルター内へとくいと引かれる

彼の視界の隅で地に伏せた燕尾服の彼・・・

「さ・・・ようなら・・・スパイダー」

そう呟くと・・・エックスはシェルターへと降りようと身を躍らせたそのとき


カッ


そう音がした

降りたシェルターの床、1枚のカードが刺さっている


「・・・」

無言のままエックスはそれを拾い上げた

それを投げつけた勢いでエックスをシェルターまで飛ばしたのだろう

絵柄を見て、エックスは涙を拭った

「ありがとう・・・スパイダー・・・」

俺の愛しい罪人(JOKER)

そう、カードに口付けて




宇宙に眠った男の歌った恋に終わりを告げた














当初の予定と全く違う物を作りました
彼女からの提案物は後回し・・・
深夜3〜4時までの1時間で書いたので絶対に変だと思いますが・・・
書きたい衝動に駆られたんで許してください






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